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可能無限と実無限

カントールの対角線論法―ミーたんとコウちんは闇の数学講座で無限の正体を見た (PARADE BOOKS)カントールの対角線論法―ミーたんとコウちんは闇の数学講座で無限の正体を見た (PARADE BOOKS)
(2006/06)
市川 秀志

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先週、ブックオフで購入した本。
ブックオフに学術系の本は一切期待してないだけに、
偶然このタイトルを見つけた瞬間きゅきゅんときてしまったw
対角線論法という名前だけ知ってて興味はあったけど、詳しいことは知らなかったので。

そして一通り読んでみた感想。

あ、あれ…?
対角線論法っていうかひたすら無限の話…??

なにやら、「無限」と言ったときには、「可能無限」と「実無限」という2種類の無限があるらしく、
前者は「完了しない無限」、後者は「完了する無限」という違いがあると。
例えば、
1/2 + 1/4 + 1/8 + 1/16 + … = 1
という当然成り立つであろうこの式を、可能無限で解釈すると、
「左辺の各項を足し続けると限りなく1に近づく」になり、
一方、実無限のほうで解釈すると、
「左辺の項をすべて足し合わせると1になる」になると。なるほど。

ところが、そもそも無限というものは、どこまでも完了しないから無限なのであって、
「完了する無限」なんてその時点で矛盾してるんじゃね?
というのがたぶんこの筆者の主張。

ひいては、実無限のもとに成り立っている無限集合論は、
そもそも仮定に矛盾が含まれているのであって、
矛盾した理論のもとでは、(矛盾していない理論のもとで)証明が困難だった命題を、
(矛盾してるがゆえに)ときたますぱっと証明できちゃって、
「無限集合論すげ~!超便利~!」ってなるけど、
一般に、矛盾した理論からは偽の命題が導かれることもあって、
それが、無限集合論周辺からいろいろなパラドックスが発生してる
原因なんじゃないかとかなんだとか。
そんな感じのことが書かれているのかなーという気がした。たぶん。

で、いったいその話がタイトルの対角線論法とどうつながるのかというと、
対角線論法は無限集合論(というか実無限?)にもとづいている証明法で、
可能無限のもとではそもそもまったく意味をなさない証明法であると。
ってことは、対角線論法ってだめなんじゃない?間違ってるんじゃない?
…というストーリーなんだと思う。
ぬおお、対角線論法を否定する本だったのかコレ!!

や、全体の話の流れをきちんとは把握しきれてないですけど、
話題的にはとても興味深いなと思いました。
もうちょっと読み直してみるつもり。

ただ、この物語調の構成はいささか失敗だったんじゃないかと思います。
この前読んだ「数学ガール」は、物語風でありながら非常によくまとまってたけど、
こっちは逆に話の流れをわかりにくくさせてるだけのように感じました。
キャラの性格がみんな謎すぎて感情移入もできないし、
合ってるのか間違ってるのかわからず自信なさげに生徒が口にした疑問に対して、
明確な回答が与えられずにそそくさと進行してしまうことがよくあるのも
読んでて歯がゆくて、そのあたりはちょっともったいないように思いました。
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